

日々こんな思いに、お疲れではないでしょうか?
「ナゼ、商品も良いもので、
こんなに頑張っているのにナゼ売り上げが上がらないんだ?
これ以上、何をどうガンバレって云うんだ・・・」
あるいは、
「この不況下・・・どこに売りに行けばいいんだ・・・」
売り上げが上がらないのは努力や頑張り、ましては運命の問題でもありません。
つまり、あなた個人の責任では断じてありません。
従来「営業」は、神のようなセールスマンの存在から野性的な勘や経験が物言う神秘な部分を備えた世界でした。
やる気や根性、デカイ声、体育会系的文化、非常識な図々しさ・・・
営業に必要なスキルとは並べてみると寒気がしますね
でも、「営業」や「販売促進」と「集客」はそんなものではありません。
チラシやDMもそうです。
社長渾身の力を込めた思い付きのキャッチコピーでもダメなんです。
勘ではイケません。
科学なんです。
販売や集客や営業は科学的で統計的で予測可能な代物です。
何を隠そう、
私は、根っから底から営業マンでした。
どちらかといえば、ど根性営業とか頑張っちゃうのが好きです。
しかし、この一途な頑張りがほとんど「ムダ」を実感したんです。
かつては、これでソコソコ成績も上げて調子に乗っていた時期もありましたが、精算すると徒労だったんです。
NTTのホームテレホンの飛び込み販売、幼児・小中学生の教材の飛び込み販売、テレアポ、そして塾経営、サラリーマンへの逆戻り、携帯電話販売店経営、そこではチラシ、捨て看板に手を染め、 その後、携帯電話業界へ見切りをつけ徒手空拳で時の寵児であったIT関連事業へ進んで再び飛び込みや説明会、DM、展示会でのブース出展、お客がいればどこへでも喜んで訪問し、嫌な顔一つせず何度でも再訪問・・・などおおよそ営業はやってきました。
と言うか、堪え性が無く転々と職業が変わっているのは恥ずかしいかぎりだが・・・
そんななか、ある時期からなかなか契約までに至らないことに焦りを感じました。
何度も体験しているが、今度のは切羽詰まったジリ貧のスランプ・・・
かなりヤバい・・・
ホトホト困った時、たった一人の私には、金も、人脈も、信用も、実績も、事務所も、事務員も何にもない、あるのは今にも崩れ落ちそうな負けん気と愛機Macと分不相応の借金でした。
そこで、最後の最後の手段として考えていた本当の最後の手段に出ました。
あちこち支払いも待ってもらい開始しました。
まずは、売れない理由を洗い出してみましょう。
分析です。


当時、かなり悩みました。
『売れない』は、切実な問題です。
『売れない』は即、ご飯の食い上げだからです。
そこで、「いつかは売れるんだ!」なんていう根のない儚い夢しか資産が無い私は、次々借金に手を染めどん底への第一歩。
もちろん、一方では、営業関係の本やセミナーへ随分投資もしました。
で、肝心の訪販など営業の本に書いてあることと言えば・・・
●商品に惚れ込め!あなたが惚れないものをお客が好きになれるか?
●断わりは、買い信号の第一歩
●迷いや不安は敵だ。吹っ切って笑って次へ訪問しよう
●人を見たらお客と思え
●商品を売るな!シズルを売れ!
●誠意は通じる!体波で当れ!
などが、言葉を変えて散りばめられている。
ハッキリさせましょう。
こんなの大ウソだ!
だいたい、シズルを売れって、売れるかそんなもん、ってのが本音です。
煙や音や臭いなんか用意出来るか!ですよ
当時は金科玉条のように信奉していたが、身体どころか精神的に痛んでしまう考え方だ。
とにかく正義は売ること、売れれば正解と言う考え方だ。
だいたい、断わられても笑って翻すなどは並大抵では出来ない。
断わられても迷いを持つな、などは尋常な神経では不可能だ。
歯を食いしばって売るなんてのは限界があるもんだ。
で、具体的な示唆はほとんど見ることは無く、精神論に終始する。
でも、不思議なもんで聞いたり読んだりしたあとは、すがすがしく元気が沸いたりするんで・・・借金が膨らんだ。


そんなことは無いのです。
どこに行っても全くダメなら諦めもつきますが、ナカナカどうしてツボにはまると好評な商材でした。
だから、諦めきれずにズルズルと後ろ髪引かれるように頑張ってしまったんです。
ですから、「努力」という意味では、これ以上自分一人では無理でした。
つまり、商品の善し悪しではありません。


値段はあまり関係ありません。
これだけは辛い当時も自信がありました。
なぜなら、私は、携帯電話の販売店をやっていた経験がありまして、確かに安いと売れるのですが、当時を振り返ると「0円」と言う信じられない価格で商いをした経験がありました。
この場合、究極の価格である0円でも売れないものは売れないんです。
ですから、何となく値下げをしたくなる心理は分かるのですが、値下げは麻薬で、一度使うとドンドンドツボにはまるんです。
売上が上がっても利益がなくって身を削るばかりの下策です。
つまり、売れない理由に価格であることは考えてはならないし、現実に売れない理由ではないんです。


私は、かつて訪販会社に勤めていた時は「全ての人をお客と思え」とたたき込まれたものです。
つまり、「こちらから客を選ぶな!」と。
そこで、各個撃破。軒並みチャイムを鳴らすことは一向平気だった私に「選ぶ」などの芸当はありません。
手当たり次第声をかけてみんなに良い顔して、笑顔で人畜無害を装い契約書を後ろ手に虎視眈々と「お客の印鑑」を狙っていたんです。
でも、良い人を演ずることにも余念の無い、気の弱い私は「契約を」の一言が、早口言葉を言うより難しかったんです。
つまり、ムダはあってもムラの無い対応と訪問はしていたのでこの辺が問題とは考えにくいのです。
ここまで書いてみると、多くの営業マンもそうだと思うのだが売れない理由が明解に分かることは、実はハッキリしないのである。
具体的な原因も分からないまま、「根性」だの「壁のグラフ」だの「生活のため」だなんて理由だけで私たちは売れないのである。
そう。
だから私たちは、トコトン疲れるわけである。


スランプの続いた打ちひしがれた毎日を境に、私は今まで植え付けられた
「とにかく頑張る」
「とにかく歩く」
「何度でもおもむく」
などの考え方はムダ、いいえ、間違いだと気がついたんです。
実は、威張るようなことではなく極貧を理由に禁を破って手抜きをして気付いたのである。
今まで禁じ手であった、こちらからお客を選んだほうが素敵な結果になることを「資金不足」から発見、経験したのである。
つまり、ノドの渇いていない馬に無理やり水を飲ませることは出来ないということを「今更初めて」知ったのである。
これは驚きでした。
つまり、私にとって都合のいいお客を見つけて販売するのが、当然ですが快適ですよね。何とも贅沢な発想ではないか!
今まで怖くてそんな思考は持つことも思うことすら無かった私には、青天井をのぞいたような気分でした。
売れるためには、総花的なみんなに好かれることより、特定の人への集中策が効率的で効果的で、喜ばれる営業に繋がるんです。
分析は続きます